映画音楽に人生を捧げたエンニオ・モリコーネ
なぜ60年もの間、時代と国境を越えて、
彼の生み出す旋律は人々の心を揺さぶり続けたのか？

STORY

2020年7月、世界は類稀なる才能を失った。エンニオ・モリコーネ、享年91歳。1961年以来、500作品以上という驚異的な数の映画とTV作品の音楽を手掛けた。なかでもアカデミー賞🄬外国語映画賞に輝き、日本でも超ロングランヒットを記録した『ニュー・シネマ・パラダイス』(88)の音楽は、人生の喜怒哀楽のすべてを表すような旋律で、ジュゼッペ・トルナトーレ監督による情感豊かな映像と共に、人々の心に永遠に刻まれている。
そのトルナトーレが、師であり友であるエンニオのドキュメンタリー映画を監督。エンニオが音で命を吹き込んだ数々の傑作の名場面と、最高の音響技術で再現されたワールドコンサートツアーの演奏で、巨匠の伝説を紐解く。さらに、名前を見ただけで息をのむ70人以上の監督やプロデューサー、音楽家たちのインタビューが、どうやってエンニオは偉業を成し遂げたのか、その秘密を解き明かす。また、エンニオが自身の半生を回想し、最初は映画音楽を書くことを屈辱的だと思い、幾度もやめようとしたという衝撃の事実を赤裸々に告白、彼が誇りを手にするまでの道のりが感動的に照らし出され、迷える者たちにパワーを与えてくれる。同時に、エンニオのプライベートライフとコメント、初公開となるアーカイブ映像が、奇才のチャーミングな人間性を浮き彫りにする。
エンニオの音楽と生き方を知ること、それは20世紀から今日までの映画史をドラマティックに辿ること。そして、映画を愛し励まされてきた私たちの人生を祝福すること。スクリーンの中の錚々たる面々と共に、マエストロに感謝を捧げる、愛と幸福に満ちたドキュメンタリー。